後漢・三国時代の官職についての記事をまとめた目次です。後漢・三国時代の官職について知りたい場合は、こちらからお探しいただくと探しやすいです。
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目次
後漢の官職
漢(前漢)が成立した当初、「陳勝・呉広の乱」より続く内乱はまだ終息していなかったため、法制度はほぼ秦の制度をそのまま受けついでいました。
その後、第6代皇帝・景帝の時に諸侯王の権限を縮小する政策が採られ、第7代皇帝・武帝の時には官僚組織が肥大化して、経費がかさむようになります。
そこで、漢を中興した(後漢を興した)光武帝は、官庁を統廃合して莫大な経費を削減しました。
【後漢・三国時代の官職】のカテゴリーでは、『続漢書』百官志を基に後漢の官職をまとめ、確認できる範囲で魏・蜀・呉の三国の官職を補足しています。
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【後漢・三国時代の官職】目次
上公
相国・丞相
三公の上位に位置し、天子を助けて万機(政治上の多くの重要な事柄)を治める官職。
相国・丞相は、後漢では廃止されていた官職で『続漢書』百官志にも記載はありませんが、董卓、曹操、蜀漢の諸葛亮など『三国志』には相国や丞相に就いた人物が登場するため、特別に項目を設けています。
太傅・太保
太傅は三公の上位に位置する非常置の官職で、天子を善導することを職務とします。新たに天子が即位すると太傅が任命され、録尚書事が加えられるのが通例となっていました。
太保は後漢では廃止されていましたが、魏において任命された例があります。
大司馬
三公の上位に位置する軍事の最高職。
後漢の初めに三公の太尉に置きかえられますが、後に董卓が大司馬を復活させると、太尉と並んで任命されるようになりました。
大将軍
謀反(反乱)を征伐することを職務とする将軍を統帥する最高司令官。
三公
太尉
三公の筆頭。各方面の軍を評価し、年末に天子に奏上して賞罰を行います。また、国家に重大なことがあれば司徒・司空と協議して政策を決定します。
司徒
三公の1つ。民衆を教化するための法制を検討し、法令を定め、それらの成果について年末に天子に奏上して賞罰を行います。また、国家に重大なことがあれば太尉・司空と協議して政策を決定します。
司空・御史大夫
三公の1つ。城郭や邑を造営して民を居住させ、灌漑水路や堤防の建設を検討し、年末にはこれらの業績を天子に奏上して賞罰を行います。また、国家に重大なことがあれば太尉・司徒と協議して政策を決定します。
九卿
太常
九卿の1つ。礼儀と祭祀の統括を担当します。
光禄勲
九卿の1つ。宮殿の門に宿衛することを担当します。
衛尉
九卿の1つ。衛士を統率して宮城の門の宿衛と宮城内の巡察にあたります。
太僕
九卿の1つ。天子の車と馬に関することを取り仕切ります。
廷尉
九卿の1つ。裁判を取り仕切り、判決を奏上します。また、郡国から上訴された罪を裁き、郡国に判決を通達します。
大鴻臚
九卿の1つ。王(諸侯王)と四方の漢に帰服した蛮夷(異民族)を取り仕切ります。
宗正
九卿の1つ。諸侯王および宗室(皇室)の名簿を管理します。
大司農
九卿の1つ。銭・穀物・金・絹・貨幣に関することを取り仕切ります。
少府
九卿の1つ。天子が禁中(宮中)で使用する衣服とその他の衣服、珍しい物品、珍しい食事など天子が使用する様々な物品を取り仕切ります。
- 【後漢・三国時代の官職16-1】少府(しょうふ)・少府の属官1
- 【後漢・三国時代の官職16-2】少府の属官2(侍中・中常侍 他)
- 【後漢・三国時代の官職16-3】少府の属官3(尚書台)
- 【後漢・三国時代の官職16-4】少府の属官4(符節台・御史台)
その他の中央官
執金吾
宮城の外の警備と武器の管理を取り仕切ります。
太子太傅・太子少傅
- 太子太傅
太子(皇太子)を正しい方向に教え導きます。 - 太子少傅
太子(皇太子)を正しい方向に教え導くと共に、太子(皇太子)の属官を取り仕切ります。
大長秋
皇后の命令を伝達し、皇后が外出する際に付き従います。
将作大匠
宗廟・路寝(正殿)・宮室(宮殿)・陵園の建物を建造・修繕し、街路樹を整備します。
【後漢・三国時代の官職20】将作大匠(しょうさくたいしょう)
城門校尉
洛陽(雒陽)の12の城門の守衛を取り仕切ります。
北軍中候
五営(五校)【屯騎校尉・越騎校尉・歩兵校尉・長水校尉・射声校尉】を監督します。
地方官
司隷校尉
司隷校尉部(司隷)諸郡の監察を取り仕切り、法に違反した者を摘発します。その対象には封侯、外戚、三公以下尊卑の別はありませんでした。
刺史・牧
毎年8月に管轄する州内の郡国を巡行して統治の実態を調査し、官吏の能力に応じて昇進・降格させ、冤罪が疑われる裁判をやり直します。
【後漢・三国時代の官職24】刺史(州刺史・部刺史)・牧(州牧)
太守・王国相・属国都尉
郡(王国・属国)の長官。郡内のすべての民を統治します。
県令・侯国相・邑令・道令
県(侯国・邑・道)の長官。県内のすべての民を統治します。
有秩・嗇夫・三老・游徼・郷佐
郷に置かれた官吏。
亭長・里魁(里正)・その他の地方官
亭長・里魁(里正)
亭と里に置かれた官吏。
その他の地方官
- 障塞尉
- 鹽官令(塩官令)
- 鐵官令(鉄官令)
- 工官令
- 水官令
【後漢・三国時代の官職28】亭長・里魁(里正)・その他の地方官
爵位
諸侯王・宋公・衛公
列侯・関内侯・四夷国
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蜀
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各官職ごとの俸禄の一覧表です。
太師・太傅・太保・少師・少傅・少保
天子または太子(皇太子)の教育係のような官職。
後漢においてはその多くが廃止されてしまった官職ですが、代わりに置かれた太傅・太子太傅・太子少傅の仕事を理解しやすくするために、番外編として項目を設けています。
【後漢・三国時代の官職番外編】太師・太傅・太保・少師・少傅・少保
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