後漢ごかん・三国時代の大司農だいしのうの職務と大司農府だいしのうふの属官・属吏についてまとめています。

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大司農(だいしのう)

職務

大司農だいしのう九卿きゅうけいの1つに数えられる官職で、銭・穀物・金・絹・貨幣に関することを取り仕切ります。

季節ごとに「月旦見銭穀簿げったんげんせんこくぼ」を提出し、未納の租税を分別し、郡と協力して徴収しました。


宗正そうせい大司農だいしのう少府しょうふの3つのけいは、司空しくうの管轄になります。

基本情報

詳細が不明の箇所は空白にしています。

  後漢ごかん しょく
定員 1人 1人 1人 1人
秩石
品秩
中二千石 三品    
印綬 銀印青綬      

大司農の変遷

大司農だいしのうは、前漢ぜんかん初期から三国時代まで、次のように改称されています。

時期 名称
前漢ぜんかん初期 治粟内史ちぞくないし
前漢ぜんかん景帝けいてい・期 大農令だいのうれい
前漢ぜんかん武帝ぶてい 大司農だいしのう
王莽おうもう 羲和ぎわ / 納言のうげん
後漢ごかん 大司農だいしのう
三国時代 大農だいのう / 大司農だいしのう
他の官職についてはこちら

【後漢・三国時代の官職】目次


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大司農府

以下は続漢書ぞくかんじょ百官志ひゃっかんしと「ちくま学芸文庫『正史 三国志8』三国官職表」を基に作成しています。【】内は【定員・官秩・品秩】で、[]内はそれぞれの王朝での情報になります。

続漢書ぞくかんじょ百官志ひゃっかんし三国官職表さんごくかんしょくひょうで情報が違う場合は、()内に三国官職表さんごくかんしょくひょうの情報を記載します。

大司農の属吏

司農丞しのうじょう

【1名・比千石・七品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=○・=○]


大司農だいしのうの次官。


司農部丞しのうぶじょう

【1名・六百石・-】

後漢ごかん=○・=×・しょく=×・=×]


金蔵を取り仕切ります。


その他

その他のえんは状況に応じて定員を定めます。

漢官かんかんには、宗正そうせいに所属する員吏いんりは164名とあり、その内訳は以下のようになっています。

  • 四科しか:18名
  • 斗食としょく:9名
  • 二百石文学にひゃくせきぶんがく:16名
  • 百石ひゃくせき:20名
  • :25名
  • 学事がくじ:75名
  • 官醫かんい官医かんい):1名

大司農の属官

太倉令たいそうれい

【1名・六百石・八品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=?・=?]


郡国から陸路・水路を使って運搬してきた穀物を受領します。

属官
太倉丞たいそうじょう

【1名・三百石・九品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=?・=?]


太倉令たいそうれいの次官。

漢官かんかんには、太倉令たいそうれいに所属する員吏いんりは99名とあります。


平準令へいじゅんれい

【1名・六百石・七品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=?・=○]


物価を把握と絹の染色を取り仕切ります。

しょく)では少府しょうふに属しました。


漢官かんかんには、平準令へいじゅんれいに所属する員吏いんりは99名とあります。

属官
平準丞へいじゅんじょう

【1名・三百石・-】
後漢ごかん=○・=○・しょく=?・=○]


平準令へいじゅんれいの次官。

しょく)では少府しょうふに属しました。


導官令どうかんれい

【1名・六百石・七品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=?・=?]


天子てんしの食事に用いる米をうすでつき、ほしいいをつくります。


漢官かんかんには、導官令どうかんれいに所属する員吏いんりは99名とあります。

属官
導官丞どうかんじょう

【1名・三百石?・九品?】

後漢ごかん=○・=×・しょく=×・=×]


導官令どうかんれいの次官。


典農中郎将てんのうちゅうろうしょう

【1名・二千石・六品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=督農とくのう=?]


大きな郡でその郡県に屯田とんでんがある場合に設置されました。

しょく督農とくのうは軍糧の供給のために漢中かんちゅうに設置されました。他郡にも置かれたのかは不明です。

属官
司馬しば

【1名・-・八品】

後漢ごかん=?・=○・しょく=○・=?]


兵を統率します。


典農校尉てんのうこうい

【1名・比二千石・六品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=×・=○]


小さな郡でその郡県に屯田とんでんがある場合に設置されました。

属官
典農校尉丞てんのうこういじょう

【1名・比六百石・-】

後漢ごかん=○・=○・しょく=×・=?]


管轄地域が少なくなった場合には、典農校尉丞てんのうこういじょうが管轄しました。

司馬しば

【1名・-・八品】

後漢ごかん=?・=○・しょく=×・=○]


兵を統率します。


典農都尉てんのうとい

【1名・四百石〜六百石・七品】

後漢ごかん=○・=○・しょく=×・=○]


県に屯田とんでんがある場合に設置されました。

属官
司馬しば

【1名・-・八品】

後漢ごかん=?・=○・しょく=×・=○]


兵を統率します。


魏(蜀・呉)

度支中郎将たくしちゅうろうしょう

【1名・二千石・六品】

後漢ごかん=×・=○・しょく=×・=節度せつど


諸軍の兵田を取り仕切ります。

節度せつど孫権そんけん呉王ごおうとなった時に設置。軍糧を取り仕切ります。大司農だいしのうには属していません。

属官
司馬しば

【1名・-・八品】

後漢ごかん=×・=○・しょく=×・=○]


兵を統率します。


度支校尉たくしこうい

【1名・比二千石・六品】

後漢ごかん=×・=○・しょく=×・=×]


諸軍の兵田を取り仕切ります。

属官
司馬しば

【1名・-・八品】

後漢ごかん=×・=○・しょく=×・=×]


兵を統率します。


度支都尉たくしとい

【1名・六百石・七品】

後漢ごかん=×・=○・しょく=×・=×]


諸軍の兵田を取り仕切ります。

属官
司馬しば

【1名・-・八品】

後漢ごかん=×・=○・しょく=×・=×]


兵を統率します。


他の官職についてはこちら

【後漢・三国時代の官職】目次


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大司農府の属官一覧表(三国)

以下は「ちくま学芸文庫『正史 三国志8』三国官職表」を基に作成した「三国時代の属官一覧表」です。

詳細が不明の箇所は空白にしていますが、他の史料で情報を見つけ次第随時追記します。

官職名下の数字は定員です。

官職名 秩石 備考
品秩
大司農だいしのう
(1)
中二千石
  • 建安けんあん18年(213年)に設置。
  • 初め大農だいのう、黄初元年(220年)に改称。
  • 銭穀金帛諸貨幣をつかさどる。
  • しょく=同名。
  • =初め大農だいのう、のちに改称。
七品
属官 司農丞しのうじょう
1
比千石
  • 大司農だいしのうの次官。
  • しょく=同名。
七品
典農中郎将てんのうちゅうろうしょう
(1)
二千石
  • 大きな郡で屯田とんでんがある場合に設置。
  • しょく=督農とくのう=不明。
六品
属官 司馬しば
1
  • 兵をつかさどる。
八品
典農校尉てんのうこうい
(1)
比二千石
  • 小さな郡で屯田とんでんがある場合に設置。
  • しょく=無・=同名。
六品
属官 司馬しば
1
  • 兵をつかさどる。
八品
典農都尉てんのうとい
(1)
四百石〜六百石
  • 県に屯田とんでんがある場合に設置。
  • しょく=無・=同名。
七品
属官 司馬しば
1
  • 兵をつかさどる。
八品
度支中郎将たくしちゅうろうしょう
(1)
二千石
  • 諸軍の兵田をつかさどる。
  • しょく=無・=節度せつど
六品
属官 司馬しば
1
  • 兵をつかさどる。
八品
度支校尉たくしこうい
(1)
比二千石
  • 諸軍の兵田をつかさどる。
  • しょく=無。
六品
属官 司馬しば
1
  • 兵をつかさどる。
八品
度支都尉たくしとい
(1)
六百石
  • 諸軍の兵田をつかさどる。
  • しょく=無。
七品
属官 司馬しば
1
  • 兵をつかさどる。
八品
太倉令たいそうれい
(1)
六百石
  • 郡国より輸送された穀物を受納する。
  • しょく=不明。
七品
属官 太倉丞たいそうじょう
1
三百石
  • 太倉令たいそうれいの次官
九品
導官令どうかんれい
(1)
六百石
  • 御米の脱穀、ほしいいの製作をつかさどる。
  • しょく=不明。
七品
属官 導官丞どうかんじょう
1
三百石
  • 導官令どうかんれいの次官
九品
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