当サイト「もっと知りたい!三国志」が、記事を執筆する際に参考にしている文献をご紹介します。
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目次
参考文献一覧
歴史書
- 『後漢書』
- 『三国志』
- 『晋書』
- 『資治通鑑』
「もっと知りたい!三国志」では、基本的に上記の4書を土台として記事を作成していますが、部分的にその他の歴史書の記述も採用しています。
一般書(翻訳本)
- 『全譯後漢書(全19冊)』范曄著
渡邉義浩編 / 汲古書院 - 『正史三国志(全8巻)』陳寿著・裴松之注
井波律子・今鷹真・小南一郎訳 / ちくま学芸文庫 - 徳田本電子版『全訳資治通鑑』司馬光著
徳田隆主訳 / Kindle版 - 『完訳三国志』羅貫中著
小川環樹・金田純一郎訳 / 岩波文庫
地図
- 中国历史地图集
- 『図解三国志群雄勢力マップ詳細版』満田剛監修 / スタンダーズ株式会社
ただし、『図解三国志群雄勢力マップ詳細版』はあくまでも参考に留め、勢力図の作成は歴史書の記述を元に作成していますので内容は異なります。
その他
以前たくさん読んでいたため、直接参照していなくても影響を受けていると思われる書籍。現在手近にある書籍のみ記載しています。
- 『歴史群像シリーズ⑰【三国志】上巻 曹操・劉備・孫権、天下への大計』/ 学研
- 『歴史群像シリーズ⑱【三国志】下巻 諸葛孔明、中原回復への冀望』/ 学研
- 『ビッグマンスペシャル 歴史人物シリーズ2 三国志 策謀と激闘の世界』/ 世界文化社
- 『ビッグマンスペシャル 歴史法廷[特別編集]大三国志 中原に覇を競った英傑たち』/ 世界文化社
- 『Truth In Fantasy XIII 武器と防具 中国編』篠田耕一著
その他、多くの三国志関連書籍を読んできましたが、「もっと知りたい!三国志」では、先入観を持たないように、基本的に上記の歴史書、一般書(翻訳本)に挙げた書籍のみを参考にして記事を執筆しています。
参考文献の記載について
サイト開設当初は、記事ごとにすべての参考文献を記載していたのですが、1つのできごとについても複数の史料の記述を含んでいることから、記事中が参考文献だらけになっていました。
その後、「読みにくい」「堅苦しくて難しく感じる」などのご意見をいただいたため、「なるべく多くの方に気軽に読んでいただけるサイトを」という理念から、記述が異なる史料を比較するときにのみ参考文献を記載するようにしました。
ご自身で出典を確認したい方にはご不便をお掛けしますが、ご了承ください。
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歴史書について
正史とは
正史とは中国の歴史書の一部を指す言葉で、『史記』以前に編纂された「編年体」による歴史書を「古史」と呼び、『史記』以降に編纂された「紀伝体」による歴史書を「正史」と呼びます。
編年体
「編年体」とは、起こった出来事を年代順に記していく歴史書の書式のことを言います。
紀伝体
「紀伝体」とは、皇帝の伝記である「本紀」、主要人物の伝記である「列伝」、天文・地理・礼楽・制度などをまとめた「志」(または「書」)、各種年表をまとめた「表」などで構成する歴史書の書式のことを言います。
10世紀以降には、現王朝が自己の正統性を示すために前王朝の歴史を編纂させるようになり、国家に公認された特定の歴史書のことを「正史」と呼ぶようになります。
そして、清(1644年~1912年)の乾隆帝によって『史記』から『明史』までの24種類の「紀伝体」による歴史書が「二十四史」と定められました。
正史とは「王朝が正当と認めた歴史書」のことであり、必ずしも正しい歴史を伝えているものではないことには注意が必要です。
『後漢書(ごかんじょ)』
『後漢書』とは
『後漢書』とは、六朝の宋(劉宋)(420年~479年)時代の范曄(398年~445年)が編纂した後漢時代の歴史書のことで、「二十四史」の一つに数えられています。
『後漢書』は、次の時代の歴史書である『三国志』より後につくられたことになります。
特徴
『後漢書』は「本紀」10巻、「列伝」80巻から構成され、編者である范曄が刑死したため、「志」と「表」はなく、後に(現在は失われた)『続漢書』の「志」によって補われました。
その特徴として、『漢書』までは存在していた遊侠・貨殖列伝がなくなり、文苑・独行・方術・逸民・列女列伝が存在します。
また、『後漢書』の巻85「東夷伝」(後漢書東夷伝)は、古代の日本を知ることができる数少ない史料の1つとなっています。
評価
後漢に関する歴史書は范曄以前にも数多くつくられていましたが、現在では范曄の『後漢書』以外は散逸し、ほとんどの内容が分からなくなってしまいました。
また、『後漢書』はその優れた文章を高く評価されていますが、一方で范曄による主観性の強い記述もうかがえます。
『三国志(さんごくし)』
『三国志』とは
『三国志』とは、三国時代の蜀漢と西晋に仕えた陳寿(233年〜297年)が編纂した三国時代の歴史書のことで、「二十四史」の一つに数えられています。
その成立時期は西晋による中国統一後の西暦280年以降とされています。
また、当サイトでは『三国志演義』との混同を避けるため、正史『三国志』と表記しています。
特徴
『三国志』は『魏書』30巻、『蜀書』15巻、『呉書』20巻から構成され、「本紀」は正統とする『魏書』にのみ設けられています。『後漢書』同様「志」と「表」は存在しません。
また、『魏書』と『呉書』は先行する史料を収集・編集したものが多く、『蜀書』は陳寿自らの手による記述が多いと言われています。
『三国志』の巻30「烏丸鮮卑東夷伝」(魏志倭人伝)は、古代の日本を知ることができる数少ない史料の1つとなっています。
評価
陳寿は魏を正統としながらも、かつて仕えた蜀漢を称揚し、呉にも一定の合法性を認めており、歴史家として公正な態度を貫いています。
ただし、編纂時に仕えていた西晋に関しては王朝の正統性を優先しており、相当な配慮や迎合がうかがえるという評価もあります。
『三国志』は陳寿が存命中にもさまざまな批判がありましたが、死後も教化に有益な書ということで西晋王朝において筆写が命じられ、『史記』、『漢書』、『後漢書』とともに、「前四史」として後世において高い評価を受けています。
『晋書(しんじょ)』
『晋書』とは
『晋書』とは、唐(618年~907年)の2代皇帝である李世民が臣下に命じて編纂させた、晋(西晋・東晋)時代の歴史書のことで、「二十四史」の一つに数えられる歴史書です。
特徴
『晋書』は「本紀」10巻、「志」20巻、「列伝」70巻、外国の記録である「戴記」30巻から構成されています。
この「戴記」には、晋と対立して中国の一部を割拠した五胡十六国について記されており、貴重な記録となっています。
評価
『晋書』は多人数で編纂されたため、一人の主観に左右されないという長所を持っている反面、矛盾や誤りが多いという欠点があります。
その正史としての評価は、『三国志』や『史記』に比べて大きく劣るため、その扱いにはより一層の注意が必要とされています。
また、唐以前につくられた晋の時代について書かれた歴史書は、現在、これ以外には断片的にしか存在しません。
『資治通鑑(しじつがん)』
『資治通鑑』とは
『資治通鑑』とは、北宋(960~1127年)の司馬光らによって編纂された歴史書のことです。
各時代の正史を主な史料として、戦国時代のはじめ(B.C.403年)から五代十国時代の終わり(959年)までの1,362年間の出来事を時系列にまとめた通史の形で書かれています。
特徴
『資治通鑑』は「編年体」で書かれており、歴史の流れを理解しやすくなっています。
全294巻におよぶ大作で、司馬光の元に一流の歴史家たちが集まって、完成するまでに実に19年の年月が費やされました。
また、正史だけでなく226種にのぼる史料が参照されており、その中には現在では失われてしまった貴重なものもあります。
ちなみに司馬光は、諸葛亮のライバルであり、晋王朝の実質的な創始者である司馬懿の子孫になります。
評価
『資治通鑑』は、内容目録と年表を兼ねた『資治通鑑目録』、史料にある事実について考証した『資治通鑑考異』も同時に作られました。
その後、南宋(1127~1279年)の終わりから元(1271~1368年)のはじめにかけて、胡三省が『資治通鑑』の注釈をつけ、現在まで高い評価を得ています。