後漢時代の秩石(官秩)の一覧と、俸禄、身分上の区別についてまとめています。
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秩石(官秩)とは
秩石(官秩)とは、漢代以降に用いられた官吏の俸禄の等級のことで、官職に就く者は毎月その等級に応じた俸禄を受け取ります。
また、秩石(官秩)は身分上の区別も表しており、待遇に差が設けられていました。
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秩石(官秩)一覧表
はじめに
以下は『続漢書』百官志の百官奉を基に作成し、俸禄については宇都宮淸吉・藪内淸両氏の『續漢志百官受奉例考』による補正を反映させています。
また、秩石(官秩)による身分上の境界を示すため、表内を色分けしています。
この秩石(官秩)による身分上の区別は、官印の材質や綬の色、車蓋(馬車の覆い)や服の色などと直結します。
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秩石(官秩)一覧表
秩石 (官秩) |
俸禄 / 月 | 官職の例 |
---|---|---|
上公 公 (万石) |
350斛 |
|
中二千石 | 180斛 |
|
二千石 | 120斛 |
|
比二千石 | 100斛 |
|
千石 | 90斛 |
|
比千石 | 80斛 |
|
六百石 | 70斛 |
|
比六百石 | 60斛 |
|
四百石 | 50斛 |
|
比四百石 | 45斛 |
|
三百石 | 40斛 |
|
比三百石 | 37斛 |
|
二百石 | 30斛 |
|
比二百石 | 27斛 |
|
百石 | 16斛 |
|
斗食 | 11斛 | |
佐史 | 8斛 |
補足
- 斗食の俸禄は毎日升で計量して支給されました。
- 二千石は、真二千石とも言います。
比百石について
『続漢書』百官志の北軍中候の項の最後に「諸侯(列侯)・公主の家丞は比百石である」と、比百石の記述が見られますが、宗正の項には「公主の家丞は三百石」とあります。
また、少府の項に「中黄門は比百石。後に比三百石に増やした」とありますが、百官奉や『續漢志百官受奉例考』にも比百石の記載はないため、この「秩石(官秩)一覧表」には載せていません。
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半穀半銭
上記の俸禄を受け取る者たちは、その俸禄を穀物と銭に分けて受け取りました。
以下は荀綽の『晋百官表』の注を基に作成し、宇都宮淸吉・藪内淸両氏の『續漢志百官受奉例考』による補正を反映させた、俸禄の穀物と銭の内訳の一覧表です。
半穀半銭一覧表
秩石 (官秩) |
穀物 / 月 | 銭 / 月 |
---|---|---|
上公・公(万石) | 105斛 | 17,500銭 |
中二千石 | 54斛 | 9,000銭 |
二千石 | 36斛 | 6,000銭 |
比二千石 | 30斛 | 5,000銭 |
千石 | 27斛 | 4,500銭 |
比千石 | 24斛 | 4,000銭 |
六百石 | 21斛 | 3,500銭 |
比六百石 | 18斛 | 3,000銭 |
四百石 | 15斛 | 2,500銭 |
比四百石 | 13.5斛 | 2,250銭 |
三百石 | 12斛 | 2,000銭 |
比三百石 | 11.1斛 | 1,850銭 |
二百石 | 9斛 | 1,500銭 |
比二百石 | 8.1斛 | 1,350銭 |
百石 | 4.8斛 | 800銭 |
斗食 | 3.3斛 | 550銭 |
佐史 | 2.4斛 | 400銭 |