後漢(ごかん)・三国時代の司隷校尉(しれいこうい)の職務と司隷校尉府(しれいこういふ)の属官・属吏についてまとめています。

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司隷校尉(しれいこうい)

職務

司隷校尉部(しれいこういぶ)(司隷(しれい))諸郡の監察を取り仕切り、法に違反した者を摘発(てきはつ)します。その対象には封侯(ほうこう)、外戚(がいせき)、三公(さんこう)以下尊卑(そんぴ)の別はありませんでした。


司隷の領郡

司隷校尉(しれいこうい)の管轄地域(司隷(しれい))

豆知識

後漢(ごかん)の首都・洛陽(らくよう)周辺の3郡(河南尹(かなんいん)・河内郡(かだいぐん)・河東郡(かとうぐん))を三河(さんが)と言い、前漢(ぜんかん)の首都・長安(ちょうあん)周辺の3郡(京兆尹(けいちょういん)・左馮翊(さひょうよく)、右扶風(ゆうふふう))を三輔(さんぽ)と言います。

基本情報

詳細が不明の箇所は空白にしています。

  後漢(ごかん) 魏(ぎ) 蜀(しょく) 呉(ご)
定員 1人 1人 1人 –
秩石
品秩
比二千石 三品    
印綬 銀印青綬      

司隷校尉の変遷

前漢(ぜんかん)
武帝(ぶてい)
  • 征和(せいわ)4年(紀元前89年)、司隷校尉(しれいこうい)を置く。
  • 節(せつ)を持ち、百官と洛陽(らくよう)(雒陽(らくよう))近辺の郡で法に違反した者を摘発(てきはつ)する。
元帝(げんてい)
  • 初元(しょげん)4年(紀元前45年)、節(せつ)の授与(じゅよ)を取りやめる。
成帝(せいてい)
  • 元延(げんえん)4年(紀元前9年)、司隷校尉(しれいこうい)を廃止する。
後漢(ごかん)
光武帝(こうぶてい)
  • 建武年間(けんぶねんかん)(25年〜55年)、再び司隷校尉(しれいこうい)を置き、司隷(しれい)全体を管轄地域とする。

献帝(けんてい)

  • 建安(けんあん)18年(213年)3月、州の統廃合による司隷(しれい)の廃止にともなって司隷校尉(しれいこうい)も廃止される。

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司隷校尉府

以下は『続漢書(ぞくかんじょ)』百官志(ひゃっかんし)と「ちくま学芸文庫『正史 三国志8』三国官職表」を基に作成しています。【】内は【定員・官秩・品秩】で、[]内はそれぞれの王朝での情報になります。

『続漢書(ぞくかんじょ)』百官志(ひゃっかんし)と『三国官職表(さんごくかんしょくひょう)』で情報が違う場合は、()内に『三国官職表(さんごくかんしょくひょう)』の情報を記載します。

司隷校尉の属官

従事使(じゅうじし)

【12名(各1名)・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]

都官従事(とかんじゅうじ)

百官のうち法に違反した者を調査して摘発します。

功曹従事(こうそうじゅうじ)

州の官吏の選任、その他の事柄を取り仕切ります。

別駕従事(べつがじゅうじ)

司隷校尉(しれいこうい)が管轄地域(司隷校尉部(しれいこういぶ) / 司隷(しれい))を巡察する際に車駕(しゃが)を先導し、様々な事柄を記録します。

簿曹従事(ぼそうじゅうじ)

州が所蔵する金銭と穀物の出納帳(すいとうちょう)を作成します。

兵曹従事(へいそうじゅうじ)

戦争が起きた時に設置され、軍事を取り仕切ります。


假佐(かさ)(仮佐(かさ))

【25名・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]

假佐(仮佐)の内訳
主簿(しゅぼ)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=○・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


閤下(こうか)(属吏の執務する区画)に関する事柄を帳簿に記録し、文書を司隷校尉(しれいこうい)に伝達します。

門亭長(もんていちょう)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


州内の取り締まりを行います。

門功曹書佐(もんこうそうしょさ)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


司隷校尉(しれいこうい)の属官の選任を取り仕切ります。

孝経師(こうきょうし)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


試経(しけい)の試験を監督します。

月令師(げつれいし)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


気候の状態と祭祀(さいし)に関する事柄を取り仕切ります。


律令師(りつれいし)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


法律に関する事柄を取り仕切ります。

簿曹書佐(ぼそうしょさ)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


州が所蔵する金銭と穀物の出納帳(すいとうちょう)を作成します。

都官書佐(とかんしょさ)

【-・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


百官のうち法に違反した者を調査して摘発します。


郡国ごとの属官

以下は司隷校尉部(しれいこういぶ)(司隷(しれい))内の郡国ごとに置かれた司隷校尉(しれいこうい)の属官になります。

部郡国従事(ぶぐんこくじゅうじ)

【1名・100石・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=×・呉(ご)=×]

郡の文書の発給と不法行為の摘発を行います。


郡国に置かれた従事(じゅうじ)は、司隷校尉(しれいこうい)が自(みずか)ら辟召(へきしょう)します。


典郡書佐(てんぐんしょさ)(假佐(かさ))

【1名・-・-】

[後漢(ごかん)=○・魏(ぎ)=?・蜀(しょく)=?・呉(ご)=×]


郡の文書を取り仕切ります。


『続漢書(ぞくかんじょ)』百官志(ひゃっかんし)には、假佐(かさ)(仮佐(かさ))の定員25名の内訳は記(しる)されていません。


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司隷校尉府の属官一覧表(三国)

以下は「ちくま学芸文庫『正史 三国志8』三国官職表」を基に作成した「三国時代の属官一覧表」です。

詳細が不明の箇所は空白にしていますが、他の史料で情報を見つけ次第随時追記します。

官職名下の数字は定員です。

官職名 秩石 備考
品秩
司隷校尉(しれいこうい)
(1)
比二千石
  • 首都・洛陽(らくよう)及び近郊の治安を司(つかさど)り、百官の不法を取り締まる。
  • 司隷(しれい)の刺史の人を担(にな)う。
  • 蜀(しょく)=同名。呉(ご)=無。
三品
属官 従事史仮佐(じゅうじしかさ)
100
–  
–
属官 都官従事(とかんじゅうじ)
1
–  
–
属官 功曹従事(こうそうじゅうじ)
1
–  
–
属官 諸曹従事(しょそうじゅうじ)
1
–  
–
属官 部郡従事(ぶぐんじゅうじ)
1
–
  • 司隷(しれい)内の郡国ごとに1名。
–
属官 武猛従事(ぶもうじゅうじ)
1
–  
–
属官 督軍従事(とくぐんじゅうじ)
1
–  
–
属官 主簿(しゅぼ)
1
–  
–
属官 録事門下(ろくじもんか)
1
–  
–
属官 省事記室(しょうじきしつ)
1
–  
–
他の官職についてはこちら

【後漢・三国時代の官職】目次