『三国志演義』から正史『三国志』まで、『三国志』に関連する用語を簡単に解説する用語事典の「た」で始まる用語をまとめています。
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た
太尉(たいい)
公。定員:1名・秩万石(一品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
軍事の最高責任者。司徒、司空と共に三公の1つに数えられます。
蜀では常設されませんでした。
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大駕(たいが)
三駕と呼ばれる天子(皇帝)の鹵簿(行列)の1つ。
天子(皇帝)が大駕に乗る場合には、公卿が先導し、太僕が御者をつとめ、大将軍が一緒に乗りました。
属車(後に続く車)は81乗。その他にも数え切れない供回りの車駕(馬車)や騎兵が付き従います。
後漢では、大行[天子(皇帝)崩御の儀礼]の際にのみ、大駕を用いました。
また、『独断』巻下には、光武帝の原陵への参拝の際にも用いられたことが記されています。
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太学(たいがく)
漢が首都に設けた、儒家思想を正統学問とした高等教育機関。博士弟子(太学の学生)に儒教や官僚として必要な知識を習得させ、官僚候補生を育成します。
後漢では洛陽城(雒陽城)南の開陽門の外に建設されました。
また、宦官による朝廷の腐敗が進むと、太学は反宦官勢力(党人)の拠点となりました。
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台官 / 臺官(だいかん)
三台(尚書台・御史台・謁者台)に所属する官職のこと。
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大饗(だいきょう)
歴代皇帝を合わせ祀る儀礼のこと。
太皇太后(たいこうたいごう)
天子(皇帝)の祖母に与えられる称号。
太宰丞(たいさいじょう)
定員:1名・秩三百石(-)
[後漢=○・魏=×・蜀=×・呉=×]
太宰令にの次官。
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太宰令(たいさいれい)
定員:1名・秩六百石(-)
[後漢=○・魏=×・蜀=×・呉=×]
太常に属し、鼎(脚のついた鍋型の祭器)や俎、その他膳立てに用いる道具の作成を監督する官職。祭祀の際に供え物を盛るための食器を陳列する。
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太師(たいし)
上公。定員:1名・秩万石(一品)
天子を善導することを職務とする官職。天子の教育係。
前漢末期には太師・太傅・太保の3職、いわゆる三師が置かれていましたが、後漢では廃止されていました。191年に董卓が復活させて自ら就任しました。
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大司馬(だいしば)
上公。定員:1名・秩万石(一品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
非常置の軍事の最高職。大司馬の職責には時代によって変化があり、後漢においては太尉に置きかえられていました。
189年に董卓によって復活されると、太尉と大司馬が同時に任命されるようになり、大司馬は大将軍の上位に位置する軍事の最高職となりました。
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大射(たいしゃ)
儀礼の1つ。
君主が臣下を集めて開いた宴で、臣下に3度的を射させて競わせる行事のこと。
勝者には上級の祭祀に出席する資格が与えられ、敗者は罰杯を飲まされました。
太守(たいしゅ)
定員:1名・秩二千石(五品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
郡の行政官。郡民の統治、官吏の推挙、犯罪の取り締まりなどにあたります。
官秩(秩石)が二千石であることから、太守のことを「二千石」とも言います。
太祝丞(たいしゅくじょう)
定員:1名・秩三百石(七品)
[後漢=○・魏=○・蜀=?・呉=?]
太祝令の次官。
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太祝令(たいしゅくれい)
定員:1名・秩六百石(七品)
[後漢=○・魏=○・蜀=?・呉=?]
太常に属し、祭祀の際に祝詞を読み上げ、神霊を送迎することを担当する官職。
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太常(たいじょう)
卿。定員:1名・秩中二千石(三品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
礼儀・祭祀を管理する官職。祭祀を執り行うにあたって天子の補助をします。
属官
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大将軍(だいしょうぐん)
上公。定員:1名・秩万石(一品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
謀反(反乱)を征伐することを職務とする将軍を統帥する最高司令官。
後漢第4代皇帝・和帝期に竇憲が大将軍に就いて以降、大将軍は外戚の長が任命されるようになり、幼い皇帝の元、絶大な権力を握るようになりました。
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太常主簿(たいじょうしゅぼ)
定員:1名・-(八品)
[後漢=×・魏=○・蜀=?・呉=?]
太常の属官。太常業務の庶事を取り仕切ります。
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太常丞(たいじょうじょう)
定員:1名・秩比千石(七品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
太常の次官。儀礼の執行ならびに祭祀の細かい事柄と、官署の事務を担当する。
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太史令(たいしれい)
定員:1名・秩六百石(六品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
天地自然の法則と星の運行を観察し、暦の作成を担当する官職。太常に属します。
属官には、太史丞、明堂丞、霊台丞があります。
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太祖(たいそ)
初代の天子(皇帝)の死後に贈られる廟号の1つ。
曹操は帝位に就かなかったため魏の初代天子(皇帝)は曹丕ですが、実質的な初代天子(皇帝)として、曹操にも「太祖」の廟号が贈られました。
後漢から魏・蜀・呉の三国時代において、孫権も「太祖」の廟号を贈られていますが、正史『三国志』で「太祖」と言えば、曹操のことを指します。
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大喪(たいそう)
儀礼の1つ。
天子(皇帝)や皇太后、太皇太后の葬儀のこと。
大朝会(だいちょうかい)
毎年元旦に執り行われる儀礼のこと。公卿以下、百官が一堂に会して天子(皇帝)に朝賀(お祝いの言葉を述べること)します。
また、毎月朔日(朔日)には朝会が執り行われました。
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大帝(たいてい / だいてい)
1.
立派な功績を残した偉大な皇帝を指す称号。
2.
中華の天子(皇帝)の諡号の1つ。
『三国志』にゆかりの深い大帝には、
- 呉の初代皇帝・太祖大皇帝【孫権】
がいます。
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太微(たいび)
天子(皇帝)の宮廷を象徴する星のこと。
太傅(たいふ)
上公。定員:1名・秩万石(一品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
天子を善導することを職務とする官職。天子の教育係。通常、天子が即位すると任命されます。
前漢末期には太師・太傅・太保の3職、いわゆる三師が置かれていましたが、後漢では太傅に統合され、録尚書事を加えられて国政全般を取り仕切るようになりました。
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太平道(たいへいどう)
後漢末期(170年頃)に張角が創始した『太平清領書』を教典とする道教の一派。
華北を中心に多くの民衆に信仰され、信徒数十万を抱えるようになると、張角は信徒たちを36の方(集団)に編成し、後漢王朝打倒のスローガンを掲げて反乱(黄巾の乱)を起こしました。
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太保(たいほ)
上公。定員:1名・秩万石(一品)
[後漢=×・魏=○・蜀=×・呉=×]
天子を善導することを職務とする官職。天子の教育係。
前漢末期には太師・太傅・太保の3職、いわゆる三師が置かれていましたが、後漢では廃止されていました。
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大予楽丞(だいよがくじょう)
定員:1名・秩三百石(七品)
[後漢=○ 魏=太楽丞 蜀=? 呉=?]
大予楽令の次官。
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大予楽令(だいよがくれい)
定員:1名・秩六百石(七品)
[後漢=○・魏=太楽令・蜀=?・呉=?]
太常に属し、祭祀や大饗(大規模な宴会)の際に音楽の演奏を監督する官職。
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大戴礼記(だたいらいき)
孔子と孔子の弟子たちが記した200篇の著述を80篇に要約したもの。
前漢の戴徳の撰。『大戴記』とも言い、現在13篇が現存しています。
蛇矛(だぼう)
『三国志演義』で張飛が使っていたことで有名な、穂先が蛇のようにうねった矛。
柄は木製で全体の長さは約5.6mもあり、穂先は鋼鉄製で長さは約25cm。蛇のようにうねった穂先には、刺したときの傷を深く複雑にすることで敵のダメージを大きくする効果がありました。
ですが、蛇矛が出現するのは15世紀・明代(1368年〜1644年)に入ってからで、残念ながら正史『三国志』には張飛が蛇矛を使っていたという記録はありません。
蛇矛
画像出典元:中国サイト隋我网
蛇矛には、穂先が蛇の舌のように2つに分かれているバリエーションもあります。
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