『演義』から正史『』まで、『』に関連する用語を簡単に解説する用語事典の「こ」で始まる用語をまとめています。
スポンサーリンク
こ
行+官職名(こう+かんしょくめい)
「行」の後に続く官職の職務を代行すること。
後宮(こうきゅう)
天子や皇后、妃嬪たちが家庭生活を営む場所のこと。
前漢の首都・長安城では皇后の居所である椒房宮と、妃嬪の居所である掖庭殿があり、後漢の首都・洛陽城(雒陽城)では南宮の内部にありました。
関連用語
黄巾の乱(こうきんのらん)
後漢12代皇帝・霊帝の光和7年(184年)に起こった、教祖・張角を首領とする太平道の信者が起こした大規模な農民反乱のこと。
信者たちはみな目印として黄色い頭巾を身につけていたことから「黄巾の乱」と呼ばれました。
関連用語
皇后(こうごう)
天子(皇帝)の正妃(正妻)に与えられる称号。
侯国相(こうこくしょう)
定員:1名・秩千石(六品)/ 四百石(七品?)/ 三百石(八品)
列侯に封ぜられた者の代わりに派遣される県の行政官。職務は県令または県長と同じです。
関連記事
郊祀(こうし)
天と地を都の郊外で祭る祭祀のこと。都の南で「天」を祭る南郊と、都の北で「地」を祭る南郊があります。
宗廟祭祀とともに祭祀の中で最も重視され、前漢の元帝・成帝期以降から儒家的に改善され、王莽によって集大成されました。
功次(こうじ)
功績と勤続期間のこと。
漢代において、日常的な人事は功次に基づいて行われました。
耕車(こうしゃ)
籍田儀礼(農業振興と豊饒を祈願するための農耕儀礼)を行う際に天子が乗る車。
芝車・三蓋車・耕根車とも言います。
後主(こうしゅ)
蜀漢の第2代皇帝・劉禅のこと。
『蜀書』(正史『』)において後主と言えば、劉禅のことを指します。
皇太后(こうたいごう)
天子(皇帝)の母に与えられる称号。
黄帝(こうてい)
皇甫謐の『帝王世紀』では三皇の1人、司馬遷の『史記』では五帝の筆頭とされる中華の伝説上の帝王。姓は公孫、名は軒轅。
諸侯を攻める炎帝を阪泉に破り、反乱を起こした蚩尤を涿鹿の戦いで殺害して帝位に就きました。
司馬遷は『史記』において、中華の歴史を黄帝から始め、夏・殷・周の始祖をすべて黄帝の子孫としています。
郊天(こうてん)
南郊のこと。
南郊は首都の南で天(昊天上帝)を祀る祭祀で、郊祀(郊祭)の1つ。
後漢では洛陽城(雒陽城)の南方7里に円形の壇が設けられ、年に1度、正月の最初の丁または辛の日に天を祀りました。
また、南郊壇には五帝と高祖も祀られていました。
公田(こうでん)
中央政府が管理する田地のこと。
少府と水衡都尉が管理する公田と、大司農とその属官が管理する公田がありました。
江東(こうとう)
長江は、現在の安徽省・蕪湖市から江蘇省・南京市あたりまでの間を東北方向に流れていますが、その南岸(東岸・長江の東)、建業(秣陵県)から呉郡あたりまでを江東と呼びます。
ですが現在では、広く楊州全体を江東と呼ぶことが定着しているようです。
江東
鴻都門(こうともん)
洛陽城内の南宮に設置された門のこと。
霊帝期には、この鴻都門内に鴻都門学が置かれました。
また、同時期にこの門において売官が行われていました。
鴻都門学(こうともんがく)
霊帝期に洛陽城・南宮の鴻都門内に置かれた学校のこと。
三公や州郡の長官に、辞賦や文学、書芸に優れた者を推挙させました。
また、校内には孔子とその門弟72人の肖像が描かれていました。
高廟(こうびょう)
前漢の高祖(劉邦)の廟(宗廟)こと。
後漢では、前漢時代に長安に建設された高廟を故高廟と呼び、後漢時代に光武帝によって洛陽(雒陽)に建設されたものを高廟と呼びます。
洛陽の高廟には、前漢の高祖・文帝・武帝・宣帝・元帝が合祀されました。
関連記事
高廟令(こうびょうれい)
定員:1名・秩六百石(-)
[後漢=○・魏=×・蜀=×・呉=×]
太常に属し、前漢の高祖(劉邦)の廟を守衛し、巡察と清掃を担当する官職。
関連用語
関連記事
広陽門 / 廣陽門(こうようもん)
後漢・洛陽城(雒陽城)の外周の門の1つで、西側の城壁に3つある城門のうち、南側にある城門のこと。
関連記事
洛陽(雒陽)の城門の配置図はこちら。
孝廉(こうれん)
郷挙里選の徳目の1つ。または、孝廉に推挙された人物のこと。
太守・国相が、管轄する郡国の下級官吏や民衆の中から「孝行で欲が少なく正直な人物」を推挙するもので、孝廉で推挙された者は、多くの場合郎(郎官)に任命されます。
孝廉に推挙される者は、郡国の人口が
- 30万人以上であれば1年に1人
- 10万人以上であれば2年に1人
- 10万人未満であれば3年に1人
という狭き門でした。
関連用語
光禄勲(こうろくくん)
卿。定員:1名・秩中二千石(三品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=○]
属官:丞1名。比千石(七品)
宮殿の門戸の宿衛を司り、殿中侍衛の士を取り仕切る官職。
光禄勲府には、
五官中郎将、左中郎将、右中郎将、
南中郎将、北中郎将、虎賁中郎将、
羽林中郎将、羽林左監、羽林右監、奉車都尉、
駙馬都尉、騎都尉、太中大夫、中散大夫、
諌議大夫、議郎、謁者僕射、宂従僕射、
守宮令、黄門令、掖庭令、清商令、
暴室令、華林園令
が属しています。
関連用語
護駕(ごが)
鹵簿(行列)の1形式。
太僕が車駕を奉引して鹵簿を上奏し、中常侍・小黄門、尚書の担当者・尚書郎・尚書令史、侍御史・蘭台令史が副車に乗ります。
みな鹵簿の次第を記した儀注に則り車騎を正し、整えます。
後漢(ごかん)
中華の古代王朝の1つ。
前漢を簒奪した王莽の時代は長くは続かず、反乱が続発して敗死。その後の混乱を収めた劉秀(光武帝)が漢を中興させました。首都は洛陽(雒陽)。
王莽の時代に失った西域を回復し、儒家思想を重視して徳による支配を進めましたが、幼少の天子が続くようになると、度重なる異民族の侵入や外戚・宦官の専横を許して衰退し、各地に群雄が割拠するようになりました。
そして、献帝が魏王・曹丕に禅譲して魏が建国されると、蜀・呉も相次いで建国し、三国時代に突入します。
この光武帝が中興した後の漢を、現在では後漢と言い分けています。
関連用語
五行思想(ごぎょうしそう)
あらゆるものは木・火・土・金・水の五つの元素の一定の循環法則に従って変化するという思想。この思想は国家にも適用され、中国の王朝はそれぞれの元素に対応する「徳」を持っていました。
そのため「火徳」を持つ後漢に対して反乱を起こした太平道は、「土徳」を象徴する黄色い頭巾を身につけたのです。
関連記事
古今注(こきんちゅう)
歴代の輿服や都市・音楽・鳥獣などを記録した書。全3巻でしたが散佚してしまいました。崔豹の撰。
国三老(こくさんろう)
養老礼ごとに任命される非常設の官職。養老礼の対象者が任命されます。
後漢第2代皇帝・明帝の三老であった李躬が終身二千石を賜っている他は、定まった秩禄の記録はありません。
関連用語
哭礼(こくれい)
死者を悼んで大声をあげて泣く儀式のこと。
五刑(ごけい)
『書経』・『周礼』に記された古代中国で行われていた、
- 黥刑・墨刑(顔に刺青を入れる刑罰)
- 劓刑(鼻を削ぐ刑罰)
- 刖刑(脚を切る刑罰)
- 宮刑・腐刑(男性は去勢、女性は幽閉する刑罰)
- 大辟(処刑)
の5つの刑罰のこと。
刖刑には、膝蓋骨(膝の皿)を取り去る臏刑と、アキレス腱を切る、または足・脚を切断する剕刑があります。
宮刑は、狭義には「宮中での労働を科す刑罰」でしたが、その際男性の罪人は去勢をともなうことから、次第に宮刑と腐刑は同じ意味に使われるようになりました。
五侯(ごこう)
権勢を振るう外戚・梁冀の誅殺に協力した、
- 単超
- 徐璜
- 具瑗
- 左悺
- 唐衡
の5人の宦官のこと。
この功績により桓帝は、同日に5人を揃って列侯に封じました。
五郊(ごこう)
- 東郊
- 南郊
- 中郊(中兆)
- 西郊
- 北郊
の総称。
季節ごとにそれぞれ対応した郊において祭祀を行い、四季と黄帝の気を迎え入れました。
胡市(こし)
国境の関(関所)に設けられた漢人と非漢人が交易するための市場のこと。
胡市では官民ともに武器を関の外に持ち出すことを禁止されていました。
五時(ごじ)
1年。
春・夏・土用・秋・冬のこと。
呉楚七国(ごそしちこく)
呉楚七国の乱を起こした7つの王国のこと。
王国 | 王 |
---|---|
呉国 | 劉濞 |
楚国 | 劉茂 |
趙国 | 劉遂 |
膠西国 | 劉卬 |
膠東国 | 劉雄渠 |
菑川国 | 劉賢 |
済南国 | 劉辟光 |
関連用語
呉楚七国の乱(ごそしちこくのらん)
前漢・景帝期に起きた王国による反乱のこと。
紀元前154年、呉王・劉濞は、
- 楚王・劉茂
- 趙王・劉遂
- 膠西王・劉卬
- 膠東王・劉雄渠
- 菑川王・劉賢
- 済南王・劉辟光
と結んで、諸侯王抑圧政策を推進する御史大夫・鼂錯の誅殺を名目として挙兵します。
匈奴と連携して前漢の首都・長安を目指して進軍しましたが、斉王・劉将閭と梁王・劉武の強い抵抗に遭って行く手を阻まれ、さらに太尉・周亜夫が率いる漢軍に補給路を断たれて撃破されました。
この反乱の失敗により、諸侯王による領地の統治権は剥奪され、その領地は朝廷から派遣された相が統治することとなり、諸侯王は、ただ与えられた領地から上がる租税を受け取るだけとなりました。
関連記事
虎符(こふ)
虎の形をした銅製の割符のこと。銅虎符とも言います。
太守が兵士を徴発する際や、京師(洛陽)から派遣された督軍使者が太守に徴兵を要求する際に必要とされました。
虎賁中郎将(こほんちゅうろうしょう)
定員:1名・秩比二千石(五品)
[後漢=○・魏=○・蜀=○・呉=?]
属官:司馬1名・七品。
光禄勲に属し、天子の衛兵である虎賁を統率する。
蜀にも同名の官職が置かれていました。
関連用語
故吏(こり)
辟召によって取り立てられた者のこと。
故吏は(取り立ててくれた)上司の官職が高ければ高いほど出世が約束され、またその上司が罪を受ければそれに連座するなど、非常に強い結びつきを持っていました。
関連用語
スポンサーリンク