『三国志演義』から正史『三国志』まで、『三国志』に関連する用語を簡単に解説する用語事典の「さ」で始まる用語をまとめています。

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さ行

斎祠(さいし)

物忌み(ものいみ)の儀礼のこと。

物忌み(ものいみ)の期間は、

  • 天地の祭祀さいしの時は7日間
  • 宗廟そうびょう・山川の祭祀さいしの時は5日間
  • 小祠しょうしの時は3日間

とされていました。

この期間中、または物忌み(ものいみ)を行う前日にけがれが生じた場合には、物忌み(ものいみ)を取りやめました。


祭酒(さいしゅ)

官の長のこと。

続漢書ぞくかんじょ百官志ひゃっかんし劉昭りゅうしょう注に「官で祭酒さいしゅと呼ばれたものは、すべて第一位の長である」とあります。


采女(さいじょ)

后妃こうひ妃嬪ひひん)に与えられた位階の1つ。

後漢ごかん后妃こうひ妃嬪ひひん)の位階には、

  • 貴人きじん
  • 美人びじん
  • 宮人きゅうじん
  • 采女さいじょ

があり、采女さいじょ美人びじん宮人きゅうじんに次ぐ地位になります。


蔡中郎集(さいちゅうろうしゅう)

しょうひょうなど、蔡邕さいようの著作をまとめた書。蔡邕集さいようしゅう後漢ごかん左中郎将さちゅうろうしょう蔡邕さいようとも言います。

南朝梁なんちょうりょうでは全20巻、ずい代には全12巻、現在では全10巻が残存しています。


蔡邕集(さいようしゅう)


左氏伝(さしでん)


左将軍(さしょうぐん)

大将軍だいしょうぐん驃騎将軍ひょうきしょうぐん車騎将軍しゃきしょうぐん衛将軍えいしょうぐんに次ぐ、前後左右将軍しょうぐんの1つ。

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左纛(さとう)

乗輿じょうよ天子てんしの車(馬車)]の左側に立てる旗鉾はたほこのこと。大旗。

犛牛からうし(ヤク)の尾を用いて作られ、ひしゃくほどの大きさで、行列の最後部さいこうぶの左のえ馬のよう(たてがみ)の上に立てます。

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三蓋車(さんがいしゃ)


散騎常侍(さんきじょうじ)

侍中府じちゅうふに属し、天子てんし(皇帝)の側近としてみことのりや命令を伝達します。


元は散騎さんき中常侍ちゅうじょうじの2つの官職であり、どちらも加官で、

  • 列侯れっこう
  • 将軍しょうぐん
  • 卿大夫けいたいふ

などに加えられていましたが、のち中常侍ちゅうじょうじ後宮こうきゅうに出入りするようになると、散騎さんきは廃止されました。

文帝ぶんてい曹丕そうひ)が散騎さんきを復活させ、中常侍ちゅうじょうじと合わせて散騎常侍さんきじょうじとしました。


三公(さんこう)

常設の官職の中で最高位の3職の総称。

三国志さんごくしの舞台である後漢ごかん末期では、太尉たいい司徒しと司空しくうのことを指します。

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三皇(さんこう)

中華の伝説上の帝王のこと。

どの人物を三皇さんこうとするかは、次のように諸説あります。

『史記』
  • 天皇てんこう
  • 地皇ちこう
  • 人皇じんこう泰皇たいこう
『風俗通義』
  • 伏羲ふっき
  • 女媧じょか
  • 神農しんのう
『白虎通』
  • 伏羲ふっき
  • 神農しんのう
  • 燧人すいじん
『帝王世紀』
  • 伏犠ふっき
  • 神農しんのう
  • 黄帝こうてい

『三国志』(さんごくし)

中国では歴史書を三国志さんごくし、歴史小説を三国演義さんごくえんぎと名称で明確に区別していますが、日本で三国志さんごくしと言えば、ほぼ三国志演義さんごくしえんぎのことを指します。

そのため日本では、歴史書を正史せいし三国志さんごくしまたは単に正史せいし、歴史小説を三国志演義さんごくしえんぎまたは単に演義えんぎと呼び分けることがあります。

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『三国志演義』(さんごくしえんぎ)

みん代に羅貫中らかんちゅうによって完成された歴史小説。

正史せいし三国志さんごくしをベースにしながらも、講談や戯曲ぎきょくなどで民間に伝承されてきたエピソードが加えられた大衆歴史小説で、「中国四大奇書」の1つに数えられています。

また、日本で三国志さんごくしと言えば、ほぼこの三国志演義さんごくしえんぎのことを指します。

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三互の法(さんごのほう)

本籍回避ほんせきかいひ(州の長官には、その州の出身者が任官することはできない)」に加え、「婚姻関係を結んだ家」および「ある2つの州の出身者」が、お互いに相手側の州の長官に任官することを禁止する法令のこと。


三献(さんこん)

祭祀さいしにおいて3度献酒けんしゅする儀礼のこと。社稷しゃしょく五祀ごしで行われました。

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三師(さんし)

太師たいし太傅たいふ太保たいほの3職のこと。

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三代(さんだい)

中華の古代王朝であるいんしゅうの3王朝を総称した呼び名のこと。

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三台 / 三臺(さんだい)

尚書台しょうしょだい中台ちゅうだい)・御史台ぎょしだい憲台けんだい)・謁者台えっしゃだい外台がいだい)のこと。

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算賦 / 筭賦(さんぷ)


三輔(さんぽ)

前漢ぜんかんの都が置かれていた長安ちょうあんを中心とする京兆尹けいちょういん左馮翊さひょうよく右扶風ゆうふふうの3つの行政区画のこと。

三輔(さんぽ)

三輔さんぽ

前漢ぜんかん武帝ぶてい太初たいしょ元年(紀元前104年)に制定され、これらの官庁はいずれも長安城ちょうあんじょう内に置かれました。



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【三国志用語事典】総索引

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