感動する名言だったり思わず笑ってしまったり、大人気中国ドラマ『三国志 Three Kingdoms』に登場する英雄たちの「最期の言葉」をまとめてみました。
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第1部 群雄割拠
第03話:呂伯奢・兪渉
呂伯奢
我が家に帰るぞ。さあ、身体が冷えては良くないから…。
董卓暗殺に失敗して逃亡する曹操は、勘違いから自分を匿ってくれた呂伯奢の家人を惨殺してしまいます。
呂伯奢の屋敷から逃亡した曹操は、酒を買って帰って来た呂伯奢と鉢合わせ、証拠隠滅のため「一緒に帰ろう」と近寄ってきた呂伯奢を刺し殺してしまいました。
呂伯奢は、曹操に殺されたことにすら気づいていなかったかもしれません。
兪渉
私にお任せを。10合以内に華雄の首を取って見せます!
「俺の名は華雄。相国の命を受け、逆賊討伐に来た! もし、直ちにそなたたちの誰かが曹操の首を持ってくれば、放免にしてやるっ!」
打倒董卓を掲げる十八鎮諸侯が集結した陳留城に、董卓配下の第4の猛将・華雄が攻め寄せてきました。
勇ましく出陣した袁術配下の兪渉ですが、わずか1合で斬り殺されてしまいました。
第04話:潘鳳・華雄・袁隗
潘鳳
私の大斧は飢えております。お任せを!
兪渉が華雄に斬られると、冀州刺史・韓馥は百斤を超える大斧を振るう剛勇の将軍・潘鳳を出陣させます。
ですが、空高く放り上げられた潘鳳は、華雄の大刀の上に落下して串刺しにされてしまいました。
華雄
・・・。
兪渉、潘鳳を討たれた十八鎮諸侯の盟主・袁紹は、ついに劉備の義弟・関羽を出陣させます。
関羽の姿に気圧された華雄は、無駄口を叩く暇もなく討ち取られてしまいました。
袁隗
・・・。
華雄を討ち取られた董卓は、自ら出陣することにします。
董卓は、自分の留守中に反乱が起こらないよう、十八鎮諸侯の盟主・袁紹の叔父・袁隗を処刑しました。
第07話:孫堅・張温
孫堅
黄蓋、孫権を頼むぞ…。行けぇええっ!
董卓討伐の目的を果たせぬまま十八鎮諸侯は解散。江東に帰る途中の孫堅は、劉表の奇襲により、全身に矢を受けてしまいました。
「恨むべき相手は劉表ではない。黒幕の袁紹だ!これまであの男のために戦い、手柄を立ててきた。それなのに劉表に討たせるとは…。あの伝国璽は孫家にはいらぬ。捨ててしまえ!時期を見て伝国璽を袁術に渡せ。そして袁氏同士で争わせるのだ…」
こう遺言した孫堅は、孫権たちに自分を置いて早く逃げるように促しました。
張温
相父、私は無実です!相父、私は忠義を尽くしております!…
十八鎮諸侯を撃退した董卓は、大臣たちを招いて宴会を開いていました。
この時、袁氏から張温に宛てた密書を手に入れたという報告を受けた董卓は、その場で張温を処刑して、王允たちに張温の血を混ぜた酒を飲ませました。
第10話:董卓・王允
董卓
奉先は、奉先はどこだっ!
禅譲(皇位を譲ること)の詔を受けて万楽宮に参内した董卓の前に、王允が立ちふさがりました。
「勅命だっ!国賊・董卓は朝廷を冒涜し、天下を乱した。よって忠勇の志士よ、逆賊・董卓を殺すのだっ!殺せぇ〜っ!」
これに驚いた董卓は必死に護衛の呂布を捜しますが、駆け寄ってきた呂布に一突きに殺されてしまいました。
王允
蒼天よっ!先帝よっ!王允は死をもって国を救います。姦賊め、そこで待っておれっ!
陳宮は、元董卓配下の李傕・郭汜らに投降を呼びかけるように進言しましたが、王允はこれを許さず、追い詰められた李傕と郭汜は長安城に攻め寄せます。
長安城が落城間近となると、王允は天子の命を守るため、城壁の上から飛び降りて自害しました。
第12話:陶謙
ダメじゃダメじゃ!徐州牧は、貴殿が務めねばならんのだ!
陶謙の部下・張闓が、曹操の父・曹嵩を殺害して逃亡したため、激怒した曹操は徐州に攻め込みます。
徐州牧・陶謙は、袁紹・袁術・公孫瓚らに援軍を要請しましたが、援軍要請に応じたのは、公孫瓚の下にいた劉備ただ1人だけでした。
自らの死期を悟った陶謙は、曹操軍を撤退させた劉備に徐州牧を譲ろうとしますが、劉備は辞退して引き受けません。
やっとのことで劉備の了承を得た陶謙は、静かに息を引き取りました。
第14話:曹豹
命はもらったっ!
袁術討伐の詔を受けた劉備は義弟の張飛に、
- 酒を飲まぬこと
- 腹を立てぬこと
- 兵士に乱暴せぬこと
の3つの約束をさせ、留守を任せて出陣しました。
ですが張飛はこの約束を破って酒を飲み、呂布の従兄弟の曹豹を打ちすえます。
これを恨みに思った曹豹は呂布を徐州城に引き入れ、酔って千鳥足の張飛に挑みますが、蛇矛の一突きで殺されました。
第16話:兵糧官
どうかお助けください!命だけはっ!
袁術が天子を自称すると、曹操は20万の軍勢を起こして袁術を攻めましたが、兵糧不足に陥ってしまいました。
すると曹操は、兵糧官に「兵糧を小さな升で分けるように」指示しましたが、当然兵たちの不満が爆発します。
「そなたの首を借りたい。しかし、借りたら最後、二度と返せぬ」
と、曹操は兵糧官に責任をなすりつけ、兵たちの怒りを鎮めました。
第18話:呂布・陳宮
貂蝉、来世でまた逢おう…。
曹操に敗れた呂布は、ついに処刑されることになりました。
「将軍といられぬのなら、共に死にます」
貂蝉は呂布とともに処刑台に上がりますが、「呂布だけを処刑せよ」という命令により、処刑台から降ろされます。
呂布は、「貂蝉、そなたが生きていればそれで良い。満足だぞ」と、微笑みを浮かべて処刑されました。
素晴らしい眺めだ…、見事な眺めだっ!
呂布と共に捕らえた陳宮を、曹操は配下になるよう必死で説得しましたが、陳宮の意志は頑として変わりませんでした。
「この儂が、見送っても良いか?」
曹操は陳宮の手を取って景色の良い高台まで見送ります。
陳宮が処刑されると、曹操はこの陳宮の最期の言葉を繰り返して、涙を拭いました。
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第2部 中原逐鹿
第19話:貂蝉
この剣を、天にお返しします。
「将軍、これをご存知ですか?」
白門楼に曹操と2人きり。貂蝉は、呂布のものとなっていた七星剣を抜いて見せました。
「どうした?今宵、その剣で儂を殺す気か?」
「この剣を、天にお返しします」
そう言った貂蝉は、七星剣で自らの首を斬り、自害しました。
第21話:袁術
袁術
劉備はまさに忠義の人だっ!
劉備に敗北した袁術は、廃廟に追い詰められていました。
劉備は「許都に連行される屈辱を与えるのは忍びない」と、趙雲を派遣して袁術に自害を勧めます。
劉備の書簡を読んだ袁術は黙ってうなずくと、潔く自害しました。
第22話:吉平・董承・董貴妃
吉平
例え指を失おうとも、賊を飲むための口がある。舌があれば賊を罵ることもできるわ…。
天子の密詔を受け、董承と共謀して曹操の暗殺を試みた吉平ですが、事前に秘密が漏れてしまい、暗殺は失敗に終わりました。
「指は10本のはずだぞ。何故9本しかない?」
曹操は、董承の目前に吉平を引き出して問いかけます。
「自らの指を噛み、国賊を殺すことを誓ったがためだっ!」
「ふむ、指を噛んで誓ったと? 誰か、噛む指がまだ残っておる。この者の指を全部切り落とせっ!」
吉平は、自分を押さえ込む兵士を振り払うと、柱に頭を打ちつけて自害しました。
董承
ふんっ!
吉平に続いて暗殺計画を曹操に密告した下僕が引き出され、董承に下された天子の密詔まで示されると、董承は黙って席を立ち、処刑されるために外に出ました。
董貴妃
私が書きました!陛下は何も…っ!
曹操の追求は天子(献帝)にも及びました。
すると董貴妃は、「曹操暗殺の密詔」は自分が書いたものだと献帝を庇います。
曹操は、
「此度の処罰は妃1人に留めますが、再びかようなことが起こらば、御身に降りかかりますぞ」
と言って、献帝の目の前で董貴妃をくびり殺しました。
第24話:顔良・文醜
顔良
何奴? 名を名乗れ!無名の輩は殺さぬっ!
快進撃を続ける顔良を討つため、曹操はついに関羽を出陣させました。
一気に駆け込んでくる関羽を迎え撃った顔良ですが、わずか1合で討ち取られてしまいました。
文醜
顔良を殺したのはお前かっ!?
顔良を討たれた袁紹は、今度は文醜を出陣させました。
曹操軍の猛将・張遼、徐晃の2人を相手に互角に立ち回る文醜。2人を下がらせた関羽は、顔良同様文醜も一太刀で葬ってしまいました。
第25話:孔秀・孟坦・卞喜・山賊
孔秀
貴様の考えなどどうでも良い!行くぞっ!
劉備が袁紹の元にいることが分かった関羽は、曹操の元を去りました。
東嶺関に差し掛かった関羽は、守将の孔秀に通行を求めますが、通行手形を持っていないことを怪しんだ孔秀は通ることを許さず、関羽に一刀のもとに斬り殺されました。
孟坦
関羽よ、お主に勝ち目はないぞっ!馬から降りて投降するのだっ!
先を急ぐ関羽は、洛陽関に差し掛かかります。
太守の孟坦は、まともに戦っては敵わないと関羽を関内に誘い込み、伏兵を配置して待ち構えますが、やはり関羽に斬り殺されました。
卞喜
皆の者、かかれっ!
沂水関の守将・卞喜は関羽を丁重に迎え、鎮国寺で休むように勧めました。
関羽が鎮国寺の住職・普浄と話している間に準備を整えた卞喜は、関羽を講堂に呼んで一斉に襲いかかりますが、返り討ちに遭って殺されました。
山賊
俺は天公将軍・張角だ!すぐさま馬を降りろっ!
界首の渡し場を渡った関羽一行の行く手をふさいだ山賊は、突然現れた周倉に斬り殺されました。
第26話:蔡陽
蔡陽
関羽!甥の秦琪を殺したのはお前か!?甥の仇を討ってやるっ!!
古城で張飛と再会した関羽ですが、張飛は「関羽が曹操に寝返った」と思い込んでいます。
関羽は、ちょうどそこへ関羽を追って来た曹操配下の蔡陽を斬り、身の潔白を示しました。
第28話:田豊
田豊
口惜しや、まこと無念ぞっ!
曹操との決戦を逸る袁紹を諫めた田豊は、投獄されていました。
袁紹が官渡で大敗すると、許攸の讒言を真に受けた袁紹は田豊に自害を命じました。
第30話:許攸
許攸
度胸があるならやれぃっ!斬ってみろっ!そんな肝っ玉はあらぬか?
許攸は烏巣強襲の功績を鼻にかけ、あちこちで大言を吐いて曹操を侮辱していました。
これを苦々しく思っていた許褚は、ついに許攸の前に立ちはだかると「また暴言を吐いてみろ、頸を刎ねてやるっ!」と怒鳴りつけました。
すると許攸は「できるものならやってみろ!」と、自ら首を差し出して見せます。許褚は躊躇することなくその頸を斬り落としました。
第32話:徐庶の母
徐庶の母
そなたはなんという愚か者であろうかっ!
劉備に軍師として仕えた徐庶の知謀を欲した曹操は、徐庶に「母親を捕らえた」という偽の手紙を送って許都に呼び寄せました。
許都に着いた徐庶は、曹操への挨拶もそこそこに母親の元に向かいます。
再会を喜び会うのもつかの間、徐庶の母は「劉皇叔にお仕えしたと聞いて喜んでいたのに、なぜ許都に来たのか?」と訪ねました。
そして、曹操の謀と知りつつノコノコと許都にやって来た息子を叱りつけ、ついには失望して自害してしまいました。
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第3部 赤壁大戦
第34話:孫策
孫策
大喬、そなたは長年連れ添い、我が妻としてよく支えてくれた。あの世でも、笑って暮らせそうだな…。
狩りの最中、孫策は許貢の食客の襲撃を受けて重傷を負ってしまいます。
孫権に後事を託した孫策は、大喬を呼んで、最後にこう語りかけました。
「来世でも、きっと、またあなたの妻になります!」
大喬の返事を聞いた孫策は、そのまま息を引き取りました。
第35話:劉表
劉表
劉備どの、儂の話を忘れるな…。
「儂がそなたに荊州の地を託すのは、そなた1人のためではない。百万の民のためを思ってのこと。我が民を曹操の手に渡すわけにはゆかぬ…。」
自らの死期を悟った劉表は、劉備に荊州を託そうとしますが、劉備は受けようとしません。
曹操が侵攻してきたとの報告を受けた劉備がその場を辞して間もなく、劉表は息を引き取りました。
第36話:糜夫人
糜夫人
子龍、阿斗をお願い!必ず主君にっ!
新野を捨て劉琦が守る江夏を目指す劉備ですが、新野の民とともに進むためすぐに曹操軍に追いつかれてしまいました。
趙雲は糜夫人と阿斗を守って奮戦しますが、糜夫人は趙雲に阿斗を託すと、足手まといにならぬよう井戸に身を投げて自害してしまいました。
第39話:蔡瑁
蔡瑁
これは小人の謀です!どうか騙されないでください、丞相っ!
曹操軍を迎え撃つ周瑜にとっての脅威は、水軍を熟知した蔡瑁と張允でした。ちょうどそこへ、曹操に仕える蒋幹がやって来ます。
これ幸いと一計を案じた周瑜は、酔いつぶれた振りをして「蔡瑁と張允が内通している」という偽の書簡を蒋幹に見せました。
蒋幹の報告を受けた曹操は、すぐさま蔡瑁と張允を処刑しましたが、「しまった…。謀られたか…」と、すぐにこれが周瑜の計略であったことに気づいて後悔しました。
第4部 荊州争奪
第50話:楊齢・韓玄
楊齢
老将軍の出陣には及びませぬ。この私が関羽を倒します。関羽、その命いただこうっ!
荊州南部4郡の平定に乗り出した劉備は、最後に残った長沙の攻略に関羽を選びました。
関羽に挑んだ楊齢は、応援の為の太鼓を叩く暇もなく討ち取られてしまいました。
韓玄
魏延、何を考えておるのだ!?お前には良き待遇を与えたに、なぜ私に背くっ?
楊齢を討たれた韓玄は、老将軍・黄忠を挑ませます。
この時関羽は、黄忠が落馬したにも拘わらずトドメを刺しませんでした。すると次の日、再度関羽に挑んだ黄忠は、2度空弓を引き、3度目はわざと外して、昨日関羽に命を救われた恩を返します。
これを内通と判断した韓玄は黄忠に斬首を言い渡しますが、これを不服に思った魏延は黄忠を助けて韓玄を斬り、劉備に投降しました。
第57話:周瑜
周瑜
口惜しい…、口惜しい…、天は周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮も生んだのか…。
周瑜が受けた毒矢の傷には、感情を高ぶらせることが厳禁でした。
ですが、孔明をライバル視する周瑜は事あるごとに腹を立て、周瑜の容態は悪化していきます。
死期を悟った周瑜は自分の後任に魯粛を推挙すると、最期にこの言葉を残して亡くなりました。
第5部 奸雄終命
第61話:馬騰・黄奎・苗沢
馬騰
賊を殺せっ!賊を殺せっ!賊を殺せっ!
北方の憂いである馬騰を除くため、曹操は「大将軍に任命して孫権を討たせる」と称して馬騰を許都に招き寄せ、殺す計略を実行に移しました。
するとこれを逆手に取った馬騰は、これに応じた振りをして許都を攻め、逆に曹操を討つ計画を立てます。
ですが、内側から城門を開ける手はずだった苗沢が密告したため計画は失敗に終わり、生け捕りにされた馬騰は処刑されました。
黄奎
白状します…。
曹操は、馬騰に内通していた黄奎を捕らえると、他にも内通者がいないか、苛烈な拷問を加えて問い質しました。
内通者の名前を書くため拘束を解かれた黄奎は、看守の隙を見て自害します。
この時黄奎が挙げた名前の中に、曹操の息子・曹丕の名前がありました。
苗沢
私がおらねば馬騰は攻め入っておりました!お命を守った私に、これはあまりの仕打ちです…。
馬騰の攻撃を密告した苗沢は、その褒美として主である黄奎の愛妾・李春香を求めました。
すると「主の妻や愛妾と関係を持つこと」を最も嫌う曹操は、苗沢を処刑してしまいました。
第64話:王累
王累
蒼天よ~っ!さらば蜀よぉ~!
張魯から蜀を守るため、劉璋は荊州の劉備に援軍を頼みました。
ですが蜀の臣下の中には、そのまま劉備が蜀を乗っ取るのではないかと危惧する者が少なくありませんでした。
劉璋が成都を出て劉備を出迎えることを知った王累は、劉璋の目の前で自害して諫めましたが、劉璋を止めることはできませんでした。
第65話:周善
周善
趙雲!たとえ羽根があろうとも、逃げられるものかっ!
劉備が益州で張魯と戦っている今、孫権にとって荊州を取る絶好の機会ですが、心配なのは劉備に嫁いだ孫小妹のことです。
孫権は秘かに周善を派遣して、劉備の子・阿斗を連れ、孫小妹(孫尚香)を江東に取り返そうとします。
周善は追ってきた趙雲に戦いを挑もうとしますが、さらに後から追ってきた張飛に一突きで殺されました。
第66話:龐統
龐統
落鳳坡だと?どうやら、ここは天が儂に与えた死に場所らしいなっ!
仁義を重んじる劉備は、益州に入っても未だに劉璋から益州を奪う決心がつきません。
劉備の軍師・龐統は、劉備が劉璋を攻める正当な理由をつくるため、敢えて自ら伏兵が待つ落鳳坡に赴き、その命を散らしました。
第68話:魯粛
魯粛
起こしてくれ、主君に便りを出さねば…。
関羽との会談を終えた魯粛はついに病が重くなり、寝たきりになってしまいました。
魯粛は熱心に看病をする呂蒙に後事を託すと、孫権に便りを出さねばと筆を取りましたが、一文字も書くことなく力尽きてしまいました。
第69話:荀彧・耿紀
荀彧
はは..、ははははは…。
朝廷の決まりに反して魏王に就任した曹操と荀彧の間には、その志の違いから、大きな溝ができてしまいました。
そんな中曹操は、程昱に命じて荀彧に果物を届けさせます。
程昱が帰った後、荀彧が箱を空けてみると、曹操が届けさせたものは何も入っていない空の箱でした。これを見た荀彧は、力なく笑って自ら命を絶ちました。
耿紀
曹阿瞞、たとえ死のうとも、悪鬼となって殺してやろうぞっ!
曹操の魏王就任に刺激された漢の忠臣たちは、曹操の命を狙って反乱を起こします。
反乱は曹丕や曹彰の活躍で鎮圧され、捕らえられた反乱の首謀者・耿紀は、曹操を散々罵って処刑されました。
第71話:龐徳
龐徳
私を殺さねば、必ずやまたそなたを攻めに参るっ!
劉備が漢中を攻め取ったことに触発された関羽は、独断で曹仁が守る樊城に侵攻を開始します。
これに曹操は、援軍として于禁と龐徳を派遣しますが、関羽の水攻めに敗れ、捕らえられた于禁は降伏しました。
ですが龐徳は、元の主君の馬超と兄の龐柔が劉備に仕えているにも拘わらず、
「主君も兄も、凡庸なだけだっ!大丈夫たるもの、首を叩き斬られても大声で笑っているものぞっ!私を殺さねば、必ずやまたそなたを攻めに参るっ!」
と降伏することを拒みます。
関羽はそんな龐徳に敬意を払い、自分の青龍偃月刀で頸を刎ねさせました。
第72話:関羽
関羽
・・・。
孫権の裏切りにより荊州を奪われた関羽は、ついに呂蒙に包囲され、追い詰められてしまいます。
関平、周倉をはじめ、最後の一兵が討たれるまでじっと腰掛けていた関羽は、白くなったヒゲをゆっくり撫でて立ち上がり、首に剣を当てて自害しました。
第73話:華陀・曹操
華陀
大王、私は治療に来たのです。どうか誤解なきよう…。
頭痛が酷くなった曹操のために呼び出された神医・華陀は、
「病根は頭の中にあります。飲み薬だけでは、もうどうにもなりませぬ」
と、麻肺湯を飲ませて鋭い刀で頭を切り開き、病根を取り除くしか方法がないことを告げました。
これを聞いた曹操は、関羽と親しかった華陀が自分を殺そうとしているのだと勘違いし、華陀を処刑してしまいました。
曹操
見誤られることなぞ、露ほども恐れぬ…。
自らの死期を悟った曹操は、曹丕を後継者に指名すると「司馬懿を重用せよ、そして同時に、司馬懿に警戒を怠るな」と遺言します。
曹操は最期に重臣を集めて言いました。
「儂は今まで多くの人々を殺めた。故にそなたたちは、彰徳府講武城外に、72ヶ所の偽の墓を造れ。真の墓を知られ、暴かれぬように。加えて、寡婦たちのうち、去りたきは去れ。他に嫁ぎたきはそれを認める。
死など恐れぬ。死は涼しい夏の夜のごとく、誰もが心地よく眠れる。世間はこの曹操を見誤っていた。今もまだ見誤っている。この先もまた見誤るやも…。なれど儂はかくあり続ける。見誤られることなぞ、露ほども恐れぬ…」
曹操は、杯の水で濡らした指を弾くと、そのまま息を引き取りました。
第6部 天下三分
第75話:祖弼
祖弼
後世に悪名を残し万人のそしりを受ける。それがお前たちの末路なのだっ!
「あの者らに渡せ…。」
華歆に禅譲(天子の位を譲ること)の上奏を受けた献帝は、玉璽を管理する符宝郎を呼んで言いました。
すると符宝郎の祖弼は、
「いいえっ!皇帝の玉璽は天子のものです。賊には渡しませぬ。たとえ首を刎ねられても、承伏できませぬっ!」
と言い、
「祖弼っ!そなた死にたいのかっ!?」
と恫喝する曹洪を尻目に、百官に向かって言い放ちました。
「春秋の史官・董狐公は義を貫かれたっ!私はそれに倣いたい。お前たち逆賊が朝廷を簒奪したとて、歴史の真実は奪えぬっ!後世に悪名を残し万人のそしりを受ける。それがお前たちの末路なのだっ!」
祖弼は曹洪に斬られましたが、
「立派だ…。一介の符宝郎に過ぎぬが、そちら賊臣よりはるかに勝るっ!!」
と、献帝は祖弼を褒め称えました。
第76話:献帝・曹皇后
献帝
皇后よ、来世があるなら、決して皇帝の家には嫁ぐでないぞ。
献帝は曹丕に禅譲(天子の位を譲ること)し、山陽公に封ぜられます。
洛陽を出るため曹節(曹皇后)ともに船に乗った劉協(献帝)は、
「ご先祖の山河を賊の手に渡してしまった…。私は漢の大地に眠らず、魚の餌となるべきなのだ」
と、自ら船底に穴を空けさせていました。
劉協は、ともに死ぬことを選んだ曹節とともに、河に沈んでいきました。
曹皇后
陛下も来世があるなら、二度と皇帝の家には生まれないでください。
曹丕に禅譲(天子の位を譲ること)し、山陽公となった劉協(献帝)は、自ら船底に穴を空けさせて、自害するつもりでした。
曹節(曹皇后)は「皇后よ、そなたはもう行け。私を1人にしてくれ」と言う劉協に、
「生まれて初めて陛下は英雄になられたのです。私はどこへも行きません。お供します。陛下のお側を離れません」
と言って、劉協と運命を共にしました。
第77話:張飛
張飛
ZZZ…。
天子に即位した劉備は、ついに関羽の仇討ちのため呉に出兵することを決定します。
呉への出兵に際し、張飛は5日以内に3万の白旗と白衣を揃えるように命じていましたが、命じられた范彊と張達は揃えることができませんでした。
この罪により鞭打ち200回の罰を受けた范彊と張達は「次は殺されてしまう」と、張飛の寝込みを襲って呉に逃亡してしまいました。
第80話:程普・黄忠
程普
早く行け…。
蜀の老将・黄忠は、自らの身を挺して伏兵を置いた富池口に呉軍を誘い込みます。
危機に陥った韓当・周泰らを救いに来た程普は、伏兵の矢に当たり命を落としました。
黄忠
そなたは面白くなかろう、どうだ参ったかと!
呉軍を富池口に誘い込む際、黄忠は身体に無数の矢を受けてしまいます。
見舞いに来た劉備に黄忠は、自分の生涯で負けたのは2度だけ。長沙で関羽に負けたことが悔しくてならないと言いました。
「漢升よ、雲長同様そなたも若ければ、雲長は勝てなかったであろう」
この劉備の言葉を聞いた黄忠は、
「これまた嬉しいことを…。2度目の負けが此度の敗戦。私は負けを喫しましたが、陛下は勝利なされた!負けても悔いはない。あの世に言って、雲長に会ったらかように言ってやりましょう。陛下が五虎大将軍に私を任じてくださったのだと…。そなたは面白くなかろう、どうだ参ったかとっ!」
と言って笑うと、満足げに息を引き取りました。
第81話:傳駿
傳駿
陸遜、丁重に迎えぬかっ!ハハハハハ…!
孫権の妻の弟・傳駿は軍令を破り、4つの陣営を失ってしまいました。
「命を下す。傳駿を死罪に処す」
陸遜が傳駿に死罪を申し渡したその時、ちょうど孫権が軍の慰労に来たことが伝えられます。
主君の親族を斬ることなどできまいと高をくくって悪態をつき続ける傳駿を、陸遜は構わず処刑しました。
第83話:劉備
劉備
未だに覚えておらぬとは…。
陸遜の火計に敗れ、白帝城に入った劉備は重い病に倒れました。
自らの死期を悟った劉備は、劉禅と孔明を呼んで後事を託すと、孔明に他の臣下を呼びに行かせます。
2人きりになった劉備は、劉禅に『高祖』本紀を暗唱させますが、劉禅は未だに覚えていませんでした。
罰を与えようと振り上げた手で力なく劉禅の頬を撫でた劉備は、そのまま息を引き取りました。
第7部 危急存亡
第84話:曹丕
曹丕
疲れた…。下がって良いぞ。
持病の肺病が悪化した曹丕は、司馬懿を呼びます。
曹操の遺言通り司馬懿を警戒して軍権を渡さなかった曹丕ですが、孔明と渡り合えるのは司馬懿しかいないと司馬懿を驃騎大将軍に任命し、息子・曹叡の補佐を頼むと、40歳の若さで亡くなりました。
第85話:王朗
王朗
おのれ…、貴様…っ!
曹叡が魏の天子に即位すると、曹氏一族の曹真・曹休は、司馬懿を陽陵大都督に転任させて洛陽から追い出してしまいます。
孔明の北伐を迎え撃った曹真の軍師・王朗は、戦いの前に孔明に舌戦を挑みますが、散々に言い負かされて、血を噴いて憤死しました。
第87話:馬謖
馬謖
丞相っ!お別れにございますっ!
曹真が敗れると、曹叡はついに司馬懿を召し出します。
すると孔明は、司馬懿が狙ってくるのは蜀軍の喉元に当たる要衝・街亭だと読んで、馬謖と王平を派遣しました。ですが馬謖は、浅知恵から孔明の命令を無視し、山頂に布陣して大敗北を喫してしまいます。
孔明は軍規を引き締めるため、自分の後継者にと大事に育てて来た馬謖に、涙を流しながら処刑を命じました。
第88話:趙雲・郝昭
趙雲
北伐!北伐!北伐…!
2度目の北伐を前に、五虎大将軍の最後の1人である趙雲が亡くなってしまいます。
この報告を聞いた孔明は筆を落とし、その場に倒れ込んで号泣しました。
郝昭
司馬どのっ!申し訳ありませぬ!
司馬懿が推挙して陳倉城の守りに就いた郝昭は、城を固く守り、蜀軍の侵攻を許しませんでした。
ですが、孔明の計略にかかった曹真が陳倉城の兵の半数を奪ったため、陳倉城は敵の侵入を許してしまいます。
もう城を守りきれないと悟った郝昭は自害して果てました。
第89話:張郃
張郃
なんだここは?気味が悪いな…。
孔明に敗れた曹真は、罪を逃れるため仮病を使って大都督を辞任します。
再び軍権を握った司馬懿は、孔明が武都に移動しているという情報を得ました。すると司馬懿は、これは自分をおびき出すための罠で、武都に向かう道には伏兵がいると読み、張郃に、孔明ではなく蜀の陣営を襲わせます。
ですがこれこそが孔明の狙いでした。孔明は伏兵の待つ剣閣に張郃を引き入れると、降伏を拒んだ張郃を射殺してしまいました。
第90話:曹真
曹真
援軍だと!?誰だ…?。
司馬懿が敗れたことを知った曹真は仮病をやめ、元気満々大都督に返り咲きます。
すると孔明は病を理由に撤退を始め、曹真は嬉々として奪い返した陳倉城に入りました。
ですがこれは孔明の計略。低地にある陳倉城は長雨で水浸しとなり、武器や防具、兵糧などが使い物にならなくなってしまいます。
頃合いを見計らって攻撃を仕掛けてきた魏延らに敗れた曹真は、蜀軍の鎧を着て逃走しました。
そこに現れた司馬懿は、
「おやおや、賊兵かと思えば大都督でありましたか? 知っておれば、もっと急ぎましたのに…」
と曹真の首根っこをポンと叩きます。
すると曹真は、憤りから血を吐いて亡くなってしまいました。
第93話:兵糧官
兵糧官
将軍、嘘は申しておりません!先程まで蜀軍の旗があちらこちらに!大都督っ!
孔明は、自ら考案した「木牛流馬」を敢えて魏軍に奪わせます。司馬懿は「これは便利だ」と同じものをつくらせ、魏軍の兵糧を運ばせましたが、「木牛流馬」に仕込まれたカラクリを使って魏軍の兵糧が奪われてしまいました。
「言い訳は良い!斬れっ!」
司馬懿はこれが孔明の計略であり、兵糧官が嘘をついていないことを知りながら、兵糧官を斬りました。
曹操に斬られた兵糧官といい、魏軍の兵糧官は無実の罪で斬られることが多いですね!
第94話:諸葛亮・魏延
諸葛亮
もって陛下に背くことなし…
上方谷で司馬懿を討ち漏らした孔明は病が重くなり、起き上がるのも難しくなってしまいます。
死期を悟った孔明は、自ら著した兵法24篇を姜維に授け、楊儀と姜維に後事を託しました。
孔明は最期に、
「生死は定まりし定めなれど、定数は逃れ難く、死のまさに至らんとするや、願わくは愚忠を尽くさん。
臣亮、生来愚拙にして艱難の時に遭い、軍権を掌握し国の重任を担う。軍を起こし北伐するも未だ功ならず。いつしか病膏肓に入り、命旦夕に迫る。終生陛下に仕うべからず、遺憾極まりなし。
陛下に願わくは、心を清め己を律し、民を愛されんことを。先帝に孝道を尽くし、天下に仁恩を布かんことを。隠者を抜擢し、賢良を登用し、奸邪を退け、風俗を厚くされんことを…。
成都にある臣が宅には桑が800株、田畑が15頃あり、我が一族、衣食に余りありて不自由なし。臣、外にある折には、身辺に要り様なものすべて官に仰ぎ、私財をつくらず。臣の死後、我が一族は内に余分な絹を持たず、外に余分な財富めず、もって陛下に背くことなし…」
と劉禅に遺言して亡くなりました。
魏延
馬岱、そいつを捕らえろっ!
孔明が亡くなると姜維は、「漢中に撤退し、楊儀に兵符を委ねる」という孔明の遺言を伝えました。
「待てっ!」
そこへやって来た魏延は、楊儀から兵符を取り上げて北伐の継続を宣言します。
「丞相はそなたの謀叛を予測されていたっ!されど、よもやかくも早く誠になるとはっ!」
姜維に非難された魏延は笑って言いました。
「ならばどうなのだ? 丞相はもうこの世にはおられぬ。ぁあ? 今や恐れるものは何もないのだ。誰か私に逆らえるのか!? 馬岱、そいつを捕らえろっ!」
「丞相のご遺志により、魏延を斬るっ!」
馬岱は、生前孔明に言い含められた通りに魏延の喉笛を一閃し、魏延は絶命しました。
第95話:曹叡・司馬懿
曹叡
朕亡き後は、そなたがその者を使うが良い。
病床の曹叡は司馬懿の野心を見抜くため、大権を与えようと鎌をかけましたが、司馬懿は辞退しました。
司馬懿に天寿を全うさせることにした曹叡は、
「先帝(曹丕)の御世に、間近で司馬懿の一挙手一投足を観察させるため、ある人物が送り込まれた。その者は、十数年に渡り、朝廷に代わって司馬懿のすべてを見聞きしてきた。朕なき後は、そなたがその者を使うがよい…」
と曹爽に言い残し、この世を去りました。
司馬懿
さあ、もう一度…。
頭髪やヒゲは真っ白に変わり、すっかり耳も遠くなった司馬懿は、孫の司馬炎の暗唱を聞く相手をしていました。
「さあ、もう一度…」
司馬炎を横に座らせてその肩を抱いた司馬懿は、眠るように静かに息を引き取りました。
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画像引用元
中国ドラマ『三国志 Three Kingdoms』