正史(せいし)『三国志(さんごくし)』、『三国志演義(さんごくしえんぎ)』に登場する人物たちの略歴、個別の詳細記事、関連記事をご案内する【三国志人物伝】の「き」から始まる人物の一覧⑬紀玄龍(きげんりょう)(紀元龍(きげんりゅう))です。

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凡例

後漢(ごかん)〜三国時代にかけての人物は深緑の枠、それ以外の時代の人物で正史(せいし)『三国志(さんごくし)』に名前が登場する人物はオレンジの枠、『三国志演義(さんごくしえんぎ)』にのみ登場する架空の人物は水色の枠で表しています。


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き⑬

紀玄龍(紀元龍)

紀玄龍(きげんりょう)(紀元龍(きげんりゅう)*1)

生没年不詳。冀州(きしゅう)・平原郡(へいげんぐん)の人。魏(ぎ)の中書令史(ちゅうしょれいし)。

管輅(かんろ)と同郷の中書令史(ちゅうしょれいし)・紀玄龍(きげんりょう)は、管輅(かんろ)について次のように語った。


「管輅(かんろ)がまだ農村にいたころ、遠方の隣人の家を訪(たず)ねたことがあったが、その家の主人は、たびたび火事が起こることを心配していた。そこで管輅(かんろ)は卜(うらな)うと、次のように指示をした。

『明日、南の道で待っていなさい。きっと角巾(かくきん)*2をかぶった書生が1人、黒い牛に古びた車を引かせて通りかかるはずだ。必ずその人物を引き留(と)めて、客として丁重にもてなしなさい。そうすれば、この災いは消えるだろう』

直(ただ)ちに管輅(かんろ)の言葉に従ったところ、管輅(かんろ)が言った通りに書生がやって来た。書生は急いで立ち去ろうとしたが、主人はそれを強引に引き留(と)めて、ついにその晩は家に泊(と)まらせることになった。

書生はひどく不安に思い、『主人が自分に危害を加えるのではないか』と疑った。そこで主人が奥へ入って休むと、書生は刀を握(にぎ)って門の外に出て、薪(まき)が2つ積んである間に寄りかかり、立ったまま眠った振りをしていた。

すると突然、小さなものが1つ、まっすぐ前を通り過ぎようとした。それは獣のような姿で手に火を持ち、口でそれを吹いていた。

書生は驚いて刀を振り下ろし、ちょうど腰の部分を断(た)ち斬った。よく見てみると、それは狐であった。この出来事があって以降、主人の家には2度と災いは起こらなくなった」

脚注

*1ちくま学芸文庫(がくげいぶんこ)『正史(せいし)三国志(さんごくし)』では、紀元龍(きげんりゅう)と記す。

*2世を捨てた隱士(いんし)がかぶる角張(かくば)った形の頭巾(ずきん)。

出典
  • 『魏書(ぎしょ)』方技伝(ほうぎでん)
  • 『魏書(ぎしょ)』管輅伝(かんろでん)・裴松之注(はいしょうしちゅう)『管輅別伝(かんろべつでん)』

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